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研究概要

国内における研究

ビタミンDと慢性疾患に関する疫学研究

日に当たると皮膚で作られるビタミンDが、骨の健康に大切なことはよく知られています。しかし、全身の多くの臓器にビタミンDの受容体が存在し、ビタミンDによって制御されていることが明らかになっています。私たちは、大腸腫瘍、2型糖尿病、抑うつといった世界的に患者が多い慢性疾患について、ビタミンDが予防的に関連していることを報告しました。慢性疾患を予防するために必要なビタミンD摂取量を決めるには、しかしながら数多くの課題が残されています。

・日射量とがん  Mizoue T.
・大腸がん1) Mizoue T.
・大腸腺腫1) Takahashi R, et al.
・2型糖尿病2) Kirii K, et al.
・抑うつ Nanri A, et al.

 主研究機関:1)九州大学  2) 国立がん研究センター

内臓脂肪蓄積・メタボリック症候群に関する疫学研究:日立健康研究

脂肪は単にエネルギーを貯蔵する場所ではなく、炎症など病気のメカニズムに関わる生理活性物質を作っている重要な臓器として認識されています。 私たちは、腹部CTによって内臓脂肪蓄積を正確に測定したデータを用い、お腹の中にたまった脂肪(内臓脂肪)が中性脂肪や血圧といった心血管・代謝疾患の危険要因と強く関連していること、さらに大腸がんのリスクとも関連していることを明らかにしました。このような観察研究のほか、体重(内臓脂肪)を減らす保健指導の効果を調べる介入研究も行っています。

・内臓脂肪とメタボリック症候群 Matsushita Y, et al.
・禁煙後のメタボリック症候群 Matsushita Y, et al.

共同研究機関:日立製作所日立健康管理センター

関連研究

1)新発田研究  
  腹囲のカットオフ値  Matsushita Y, et al.  
2)つるみ健康研究  
  腹囲測定部位の評価  Matsushita Y, et al.  

共同研究機関:こうかん会鶴見保健センター

抑うつと栄養成分に関する職域疫学研究:KOMスタディ

脳内の神経伝達物質の代謝には多くの栄養素が関与しています。 私たちはこのことに着目し、勤労者において食生活と抑うつ症状との関連を調べています。これまでの分析結果で、食事からの葉酸摂取が多い人や「健康的な和食パターン」のスコアが高い人には、抑うつ症状が少ないことがわかりました。日頃の食生活がこころの状態にも影響していることが示唆されます。食事の改善でうつ症状が改善するかどうかを調べる研究によって検証する必要があります。

・食事からの葉酸摂取 Murakami K, et al.
・血中の葉酸・ホモシステイン Nanri A, et al.
・食事パターン Nanri A, et al.
・血中のビタミンD Nanri A, et al.

自殺研究

国立がん研究センターとの共同研究

・脂肪酸摂取と自殺 Poudel-Tandakara K, et al.
・家族構成と自殺 Poudel-Tandakara K, et al.

食パターン分析にもとづく栄養疫学研究

栄養疫学研究では従来、食品あるいは栄養素の摂取との関連が調べられてきましたが、近年、摂取する食品の組み合わせである食事のパターンに注目した分析が行われるようになってきました。 私たちは、この方法を用いて、日本人における主要な食パターンを同定し、さまざまな疾病、あるいは疾病と関連した生体指標との関連を調べています。

・大腸腺腫 Mizoue T, et al. 
・糖尿病 Mizoue T, et al.
・HbA1c(糖代謝の検査値) Nanri A, et al.
・高感度CRP(炎症マーカー) Nanri A, et al.
・抑うつ Nanri A, et al.

主研究機関:九州大学(抑うつを除く)

大規模コホートにおける肥満・糖尿病に関する疫学研究(国立がん研究センターとの共同研究)

糖尿病と食要因

肥満と運動不足は糖尿病のリスクを高める確実な要因ですが、いくつかの栄養素や、日本人が日頃よく摂取する食品が糖尿病リスクと関連していることを明らかにしました。糖尿病のリスク低下と関連する栄養成分としてビタミンD・カルシウム、イソフラボン・大豆製品(肥満女性のみ)を、またリスク上昇と関連する食品として白米(女性のみ)を報告しました。

・カルシウム・ビタミンD(再掲) Kirii K, et al.
・マグネシウム Nanri A, et al.
・イソフラボン・大豆製品 Nanri A, et al.
・ご飯(白米) Nanri A, et al.

肥満、味の好み                        

 日本においては中年男性の肥満が急増していることや、体重増加に「こってり味」「甘い味」の好みが関連していることを明らかにしました。

・コホートにおける肥満度変化 Matsushita Y, et al.
・味の好みと肥満 Matsushita Y, et al.

体重変動と疾病リスク

成人してからの体重変動が大きい人は糖尿病や死亡のリスクが高いことを示しました。一般成人においては、20歳以降の体重増加に気をつけ、中年期以降の体重を一定範囲に保つことが疾病や死亡のリスクの点から望ましいことが示唆されます。(治療の一環として減量している人は医師の指示に従ってください)

・体重変化と糖尿病 Nanri A, et al.
・体重変化と死亡 Nanri A, et al.

大腸がんを予防する生活習慣

・飲酒(メタ分析) Mizoue T, et al.
・飲酒(レビュー) Mizoue T, et al.
・喫煙(レビュー) Mizoue T, et al.

*国立がん研究センター等との共同研究

酸化的遺伝子損傷に影響する生活習慣

・肥満度(断面研究) Mizoue T, et al.
・体重(縦断研究) Mizoue T, et al.
・貯蔵鉄 Hori A, et al.

*産業医科大学との共同研究

海外における研究

学校保健プロジェクト ~途上国の子供たちとのチャレンジ~

近年、途上国においても生活習慣病による疾病負担が増大しており、その予防対策が急務となっています。また経済発展に伴う社会情勢の変化は、人々のこころの健康にも影を落としています。

私たちは、小林博北大名誉教授らが開発した、スリランカ南部での学校保健による生活習慣病予防事業を継承・発展させ、スリランカ西部州の教育区において介入と評価の研究に取り組んでいます。

このプロジェクトでは、子どもから環境を変える力を引き出し、彼らの自主活動を支援するエンパワーメントを進めることで、本人の健康ばかりではなく、学校や家族、さらに地域社会の総合的な健康度を高めることを目指しています。

また、学校保健研究班を組織し、4名の分担研究者とともに途上国での実証研究を進めています。

  国際学校保健研究会 URL: http://schoolhealth.asia/

感染症に関する疫学研究

マラリア(ガーナ、ラオス、ニジェール)、エイズ(ネパール)、下痢(バングラディッシュ)の予防に関するフィールド研究を、JICAや東京大学と共同で行っています。

関連研究として、東京都で新型インフルエンザの予防行動に関する調査を実施しました。

・学校保健によるマラリア対策 Ayi I, Nonaka D, et al.

臨床研究の推進

当センター病院や海外拠点病院(ベトナム)との臨床研究を推進するための実務研修や研究支援を、医療情報解析研究部と共同で行っています。

  臨床研究センター URL: http://ccs.ncgm.go.jp/index.html