NCGMとClinical Research Malaysiaが臨床研究協力に関する覚書(MOU)を締結しました
2022年10月14日、国立国際医療研究センター(NCGM)とClinical Research Malaysia (CRM) は、クアラルンプールで開催されたCRM Connect Trials Conferenceにおいて、臨床研究協力に関する覚書(MOU)を締結しました。CRMはマレーシア保健省により設立された臨床研究支援機関です。両機関はNCGMが主導するアジアの臨床研究ネットワークであるARO Alliance for ASEAN and East Asia (ARISE) を通じて、臨床研究協力を推進していきます。
署名式にはNCGMから國土理事長がオンライン出席し、臨床研究センターインターナショナルトライアル部の飯山達雄部長等が現地で参加しました。CRM側は、CEOのアクマル・ユスフ博士がMOUに署名し、カイリー・ジャマルディン マレーシア保健大臣、および高橋克彦 在マレーシア日本国大使も署名式に立ち会いました。同イベントでは、CRMと国立がん研究センターとのMOU署名式も開催され、臨床研究におけるマレーシア国の日本への期待の高さを再確認する好機となりました。
また、インターナショナルトライアル部は本イベントでARISEの活動について発表し、ブース展示も行いました。ブースにはジャマルディン保健大臣と高橋大使が訪れ、NCGMが実施する国際臨床研究プロジェクトやARISEの活動について紹介しました。この国際的なイベントを通じ、研究者、企業、CRO、政府関係者等、多くの参加者にインターナショナルトライアル部の活動を紹介することができました。本イベントを契機に、シンガポール等との国際連携も拡大しています。
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(上:オンライン参加で)國土理事長、
(下:現地参加で左から)ジャマルディン保健大臣、ユスフ博士、飯山部長、高橋大使 -
NCGM発表ブースでジャマルディン保健大臣と高橋大使に説明する飯山部長
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飯山部長によるARISEの発表
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インターナショナルトライアル部園田研究員、シブリナン研究員によるCRM訪問
また、DITはCRM本部とマラヤ大学医療センター (略症:UMMC) も訪問しました。CRM本部では、CRMの臨床研究支援活動を視察し、マレーシアにおける包括的臨床試験の実際について理解を深めることができました。CRMはマレーシア保健省の下で運営される独立行政法人であり、マレーシア公立医療機関における臨床試験実施を支援しています。CRMは近年、First-in-Human試験への準備を確実にするPhase 1 Realisation Project (P1RP) を完了しました。2021年には、合計215件の企業治験の倫理承認を得ています。企業治験の約45%は公立医療機関で行われています。
UMMCのClinical Research and Trial Unitは、マレーシアの臨床研究の主要な学術研究機関 (ARO) であり、20年以上にわたる臨床研究実績を有します。UMMCはマレーシア高等教育省の下で運営されていますが、CRMとも密接に連携しています。CRMと同様、UMMCも数多くの臨床試験に参加し、2021年実績は約300件にも上ります。UMMCもARISEへの参加に高い関心を示しており、CRM及びUMMCとの連携により、アジアの研究ネットワークの更なる発展が期待されます。
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Clinical Research Malaysia
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園田研究員、シブリナン研究員によるUMMC訪問