NCGMとERIA、アジアの国際共同臨床研究を加速する基本覚書(MOU)を締結
2023年1月12日
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM)
東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)
東京/ジャカルタ発 -2022年12 月23日、国立国際医療研究センター ((以下「NCGM」、所在地:東京都新宿区、理事長:國土典宏)と東アジア・アセアン経済研究センター (Economic Research Institute for ASEAN and East Asia(以下「ERIA」、所在地:インドネシア・ジャカルタ、事務総長:西村英俊)は、アジアの国際共同臨床研究を加速し、医薬品の国際展開を推進するための基本覚書(MOU)を締結しました。
ERIA西村事務総長およびNCGM國土理事長によるMOU調印式の様子(2022年12月23日)
今回締結されたMOUに基づき、今後、NCGMと ERIAは、日本・ASEANを含む地域全体の保健医療体制の充実、保健医療産業の振興に資するプロジェクトを実施していく予定です。 1例として、ERIAはNCGMが主導するアジアの臨床研究・治験ネットワークであるARO*1 Alliance for ASEAN and East Asia (ARISE)*2 のパートナーとして、財政的支援を含め、アジア地域におけるNCGMの国際共同臨床研究活動を支援していきます。 NCGMは、国立高度専門医療研究センターのひとつで、我が国の医療分野における国際貢献の拠点として、国際医療協力や国際医療展開活動に取り組んでいます。また、COVID-19をはじめとする新興・再興感染症等に係る国際臨床研究拠点の運営を担う研究機関です。 ERIAは、東アジアの多様な政策ニーズに応じて、貿易・投資、産業政策、エネルギー、国土強靭化、農業、環境、そしてヘルスケアに関する政策研究および政策提言を行い、ASEANと東アジア首脳会議の議長国を支援する国際機関です。
調印式でNCGMの國土典宏理事長は「ERIAおよび関係府省と一層の協力のもと、アジア地域の臨床研究・治験プラットフォームであるARISE(アライズ) の臨床研究機能を拡充し、アジア各国に必要な医薬品・医療機器の国際展開に努めます。私たちはERIAと共に、アジアの人々の健康課題解決に向けて取り組んでいきたいと考えています」と抱負を述べました。ERIAの西村英俊事務総長は「ERIAが有するASEAN各国との、ハイレベルでの強固な信頼関係と、NCGMが誇る治験ネットワーク「ARISE(アライズ)」を最大限活用することで、我々はエビデンスに基づいた政策提案を行い、ASEAN地域と日本の発展に貢献できると確信しております」と期待を寄せました。
NCGM とERIAは、このMOUに基づき、日本政府の主導するアジアにおける健康長寿社会の実現に資する「アジア健康構想」を支援していきます。
用語解説
- *1 ARO:Academic Research Organizationの略。ARO:Academic Research Organization の略。アカデミック臨床研究機関。研究機関や医療機関等を 有する大学等がその機能を活用して、医薬品開発等を含め、臨床研究・非臨床研究を支援する組織をいう。
- *2 ARO Alliance for ASEAN and East Asia (ARISE):ARISEは、迅速かつ低コストの医薬品・医療機器開発の実現に向け、これまでにNCGMが構築してきたアジアでの協力関係を基盤にした、アジア圏における臨床研究基幹施設のネットワークです。NCGM臨床研究センターは、日本医療研究開発機構(略称:AMED)の補助事業により支援を受けてこの取組を開始しました。
NCGM(National Center for Global Health and Medicine:国立国際医療研究センター)について
NCGMは6つの国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)のひとつであり、明治元年(1868年)に設置された兵隊仮病院にそのルーツを発し、平成27年(2015年)からは独立行政法人の一形態である国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM)となり、平成30年(2018年)には創立150周年を迎えました。
NCGMは、センター病院、国府台病院(千葉県市川市)、研究所、臨床研究センター、国際医療協力局、国立看護大学校(東京都清瀬市)など多様な組織を有し、感染症・免疫疾患並びに糖尿病・代謝疾患等に関する研究や高度総合医療を提供するとともに、医療の分野における国際協力や医療従事者の人材育成を総合的に展開しています。
ERIA(Economic Research Institute for ASEAN and East Asia:東アジア・アセアン経済研究所)について
ERIAは2007年の第3回東アジア首脳会議において、ASEAN10カ国、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの16か国の合意のもと、2008年にインドネシア・ジャカルタに設立された国際機関です。
東アジアの経済統合に資する政策研究および政策提言を通じて、ASEANと東アジア首脳会議の議長国を支援しています。 ERIAの研究活動は、ASEANの多様な政策ニーズに応じて、貿易・投資、産業政策、エネルギー、国土強靭化、農業、環境、そしてヘルスケア、と幅広い分野にわたっています。
https://www.eria.org
本件に関するお問い合わせ先
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM)
企画戦略局 広報企画室
TEL:03-3202-7181(代表)
Email:press@hosp.ncgm.go.jp
Economic Research Institute for ASEAN and East Asia(ERIA)
Sentral Senayan II, 5th-6th Floor, Jl. Asia Afrika No.8, Gelora Bung Karno, Senayan, Jakarta Pusat 10270 Indonesia
Tel: +62 811 9631 2830
ヘルスケアユニット 長谷 明日香(日本語)
Email: asuka.nagatani@eria.org